大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和48(あ)2192 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人平野智嘉義、同武藤一駿の上告趣意は、判例違反をいうが、所論の点につ

いては、すでに最高裁判所の判例(昭和二五年(れ)第一三三五号同二六年五月一

一日第二小法廷判決・刑集五巻六号一一〇二頁)があるから、大審院判例を引用ナ

る所論判例違反の主張は、不適法である。原判決の判示するところによると、被告

人は、昭和四七年一二月一一日午後一一時五〇分ころ、東京都荒川区東尾久八丁目

一番一号所在の警視庁尾久警察署熊野前派出所において、同警察署勤務司法巡査A

が被告人の運転免許証不携帯について交通事件原票(いわゆる交通反則切符)を作

成する際、行使の目的で、道路交通法違反現認認知報告書のとおり違反したことに

相違ない旨を記載した同原票中の「供述書(甲)」欄の末尾に、当時既に死亡して

いた友人の氏名を冒用してBと署名し、もつて事実の証明に関する文書一通を作成

したというのであるから、被告人の行為は、一般人をして名義人が実在していると

誤信きせるような私文書を偽造したものと認あるのが相当であり、たとえその作成

当時名義人が死亡していたとしても、刑法一五九条一項所定の私文書偽造罪を構成

するものと解すべきである(前記第二小法廷判決及び昭和二七年(あ)第一三四二

号同二八年一一月一三日第二小法廷判決・刑集七巻一一号二〇九六頁参照)。これ

と同旨の原判決の判断は、正当である。また、記録を調べても、刑訴法四一一条を

適用すべきものとは認められない。

よつて、同法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主

文のとおり決定する。

昭和四九年二月九日

最高裁判所第二小法廷

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裁判長裁判官 大 塚 喜 一 郎

裁判官 岡 原 昌 男

裁判官 小 川 信 雄

裁判官 吉 田 豊

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